旅に持っていく本
飛行機の中、ホテルのお部屋、ビーチやプールサイド…旅先で、好きなお酒と共に楽しみたい読書。私のおすすめの本をご紹介します。
「三面記事で読むイタリア」/内田洋子・シルヴィオ・ピエールサンティ(光文社新書)…おすすめレストランやワイン情報のほか、自分の婚約者には絶対に行ってほしくないバチュラーパーティ(なんと女性バージョンもあり!)、妻が夫を殴るドメスティックバイオレンスイタリア版、シチリア政治の腐敗ぶり(驚きの有給休暇54日!)、騙されやすいイタリア人に大流行のインチキ占い師、マンマコンプレックスのパラサイトシングルなど、イタリア人の信じられない生活がリアルに描かれています。イタリアへ旅行に行かれる方にはぜひ一読を。同じ著者による「イタリア人の働き方」(同)も魅力的なマエストロ達が登場し、おすすめ。とくに、最後に紹介されるエクソシスト退治の神父の実態(実話!)には驚愕すること請け合いです。
「やわらかな遺伝子」/マット・リドレー(紀伊国屋書店)…生まれか育ちか、すなわち遺伝決定論と環境決定論の二項対立に折り合いをつけ、遺伝子と環境がともに柔軟で、相互に関係しているという、ゲノム解読から見えてきた新しい遺伝子観・人間観を解き明かします。というと、難しい本なのでは…と思われるでしょうが、とても洗練された文章で、おもしろいのです。誠実な夫婦関係を結ぶ雄の脳には、オキシトシン受容体が多く見られ、試しにそれを別の雄の脳に注射すると、一匹のパートナーを特別に好むようになる、という
話には、(人間でも、あらかじめオキシトシンが充分に備わっているかどうか調べる方法はないの?)(倫理的に、人間に注射することは許されないでしょうね)などど思いながら、あっという間に読み終えてしまいます。ザワザワした日常生活の中でより、旅先で、自然にふれながら読みたい一冊です。生命の不思議に、ダイレクトに魅せられることでしょう。
スタッフライター/C.N.

星の村、ムスティエ moustiers-ste-marie(南フランス)
南フランス、プロヴァンス地方の中心エクス・アン・プロヴァンスから北へ、車で約2時間。緑の草原と青い空を走り抜けた先に、小高い茶褐色の山が現れる。ここが伝説の村、ムスティエ。
その昔、十字軍の時代、サラセン帝国に捕らえられた騎士ブラッカスは、もしも無事に故郷に帰ることができたら、村を見下ろす谷間に星をかかげたいと願ったという。そして16世紀中頃、ブラッカスの願い通りにこの村に星がかかげられるようになった。そう、その時からこの村には、空が暗雲に覆われようと、雨が降ろうと、雷が鳴ろうと、いつでもこの金色の星がこの村を見つめているのだ。その星は敢え無く崩れ落ちたとしても、地元の人々によって再び掲げられ、何世紀もの間この村を見つめ続けてきた。その時代により直径は30cmから1m80cmと推移してきたという。
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▲ムスティエの星(中央に映っているはずなのですが…)
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現在の実物は1m30cm大だが、かかっている場所はかなり高い場所にあるため、視力に自信のない方は双眼鏡が必要かもしれない。でもその先には確かに、10本の光線が出た金色の星が空高くあるのだ。
この星が一番輝くのは夕方。沈みゆく太陽が放つ黄金色の光を反射して、ムスティエの星は最高潮に光り出す。空が赤く染まり、村の家々に黄色い灯りがともり始めた頃、家路につく鳥たちのさえずりを追って山を見やると、そこにムスティエの星が輝いているのだ。太陽が沈むとムスティエの星も空に溶け、今度は本物の星の光が何万光年もの距離を越えてやってくる。
公共の交通機関がなく、タクシーも村に1台しかないほどの小さな村。でもここに来るなら是非この夕焼けの空に輝く、伝説の星を見ていただきたい。そしてまた、あなたも故郷に幸せに帰ることができたら、あなた自身の星をどこかに掲げてみてはいかがだろうか?
カメラマン/山下由紀子

夏の夜空にはやっぱり花火!
今年も花火の季節がやってきました。EVCは新宿御苑近くのビル24階にオフィスを構え、コンサルティングルームから眺める東京のパノラマが自慢。花火も楽しみです。
8月8日(日)19:30から1時間に渡って開催される「日刊スポーツ主催 2004神宮外苑花火大会」はEVCから近くて、方角的にも見られるはずと期待大です。この花火大会は、神宮球場、国立競技場など4つの会場から1万70発が上がる予定で、打ち上げ密度では都内最大規模だそうです。会場となる神宮球場では、大規模な仕掛け花火もあります。コンサルティングを受けながら御苑越しに上がる花火を見るか、コンサルティング帰りに花火を見るか、花火を見てからコンサルティングにいらっしゃるか、今なら選べます!(7月23日現在) 大会会場とEVCは交通が若干不便ですので、路線等よく調べてからお出かけください。
EVCがここに移転したのは昨春ですが、昨年この花火大会は悪天候で中止になってしまったので、コンサルティングルームから本当に花火が見られるかどうか確認できていません。予めご了承ください。
晴天続きの今年、初見物が叶うでしょうか!? 荒天の場合は翌9日(月)に延期だそうです。 ※写真はイメージです。
スタッフデザイナー/cizco
東京の主な花火大会(2004年)
7月31日(土) |
第27回隅田川花火大会
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19:10〜20:30/墨田区・台東区/2万発 |
8月7日(土) |
第29回江戸川区花火大会
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19:15〜20:30/江戸川区河川敷/1万4千発 |
8月14日(土) |
第17回東京湾大華火祭 |
19:00〜20:20/中央区晴海埠頭/1万2千発 |
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現実逃避を実現してくれるリゾート
スーツを着て、鞄を抱え、満員電車に駆け込む。隣のおじさんの髪の毛が頬をチクチク刺すのを我慢して会社へ行き、帰りは居酒屋で愚痴をこぼす。スポーツニュースの結果を眺めて寝ると、目覚まし時計は、すぐに翌朝の到来を乱暴に教えてくれる。こんな窮屈な日常のなか見る夢は、やっぱり南の島での楽しいバカンスなのかもしれない。
ケアンズから飛行機で約1時間。オーストラリア大陸を離れ、グレートバリアリーフの真っ只中にポツンと浮かぶ小さな楽園がある。あるアメリカの旅行サイトでは、世界のアイランド・リゾート・ベスト5に選ばれていたオーフィアス島。さんご礁と青い海に囲まれた抜群の自然環境の中に佇むそのリゾートは、ホテルのホスピタリティーの高さでもその名を知られている。
スイートのみの宿泊施設には、南洋の色鮮やかな花がふんだんに飾られ、南国ムードを盛り上げてくれる。気がつけば常に用意されている取れたてフルーツのバスケットやシャンパンなど、スタッフたちの細やかな気配りも一流だ。
仕事を忘れ、昼過ぎまでだらだらとベッドの上で過ごし、波の音で目覚めるのもいいかもしれない。夢のような時間と「そりゃ、そうだろ!?」とキムタクに起こされない現実がそこには確実にある。
大人のための南国リゾート。一度訪れれば、きっと病み付きになります。
フリーライター/小椋啓太

写真提供: オーフィアス・アイランド・リゾート

ケスウィックホールがリニューアル!(アメリカ/バージニア州)
挙式を司るキッチン牧師の教会や、可愛らしいシャーロッツビルの街並、バージニア大学、ショッピングセンターなどへ寄り道しながら、ケスウィックホールへ到着。黄色と白の瀟洒な建物が青空の下に鮮やかにあらわれてきた。まだ肌寒いが、見渡すかぎり牧場が広がり、馬の親子や牛達はところどころで思うがままの昼下がりを送っている。
今回は、改装でリニューアルされた箇所の撮影。ゲストがくつろぐ合間を縫って、サロン、客室、プールサイドなどを敏速に撮り回る。蓄音機の飾られた音楽の部屋、テニスの部屋、甘い甘いピンクの部屋などなど...。ドアを開けるたびに違う雰囲気が広がっていく。
テニスコート横のプールに加えて造られた新しいプールは、サロンのすぐ横にある。ちょうど太陽が沈んでいく頃、広大な庭に向かって水平線を描き、色づきはじめる夕方の空を鏡のように映し出している。サロンに飾られた数々の絵画と同様、この水面もケスウィックホールでの滞在を美しく彩っている。
ケスウィックホールを拠点にバージニア各地を体験してまわるのも一興だろう。しかし、選りすぐりのゲストルームでくつろぎ、プールサイドのテラスでゆっくりと空の美しさに見入り、静けさの中に響く音色を感じるというのも、最高の贅沢ではないだろうか。
カメラマン/山下由紀子

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