せっかくのファミリー挙式、大型ホテルで慌ただしく過ごすのは味気ない。だからふたりは部屋数少なく、きめの細かいサービスを受けられるヴィラを宿泊先に選択。ゆったりとした空間で一日中、花嫁のドレス姿をみんなが満喫。ミーラは日本では無名の小さな町。だからこそ、ヴィラの家族や、スタッフ、議員の方などがもてなし、祝福してくださり、家族単位の異文化交流を体験することができました。
ヴェネツィア空港に到着したのは夜の10時を過ぎた頃。空港では、現地コーディネーターの和美さんがお出迎え。空港から宿泊先の「ヴィラ・フランチェスキ」までは車で20分ほど。辺りに田園風景が広がるなか、少しずつ街の灯りが見え始め、瀟洒なファサードが迎えるヴィラ・フランチェスキに到着。和美さん同行のもとでチェックイン。すぐに翌日の集合時間を決めたら、それぞれのお部屋へ。ゆっくりと眠りにつきました。
朝食をすませた後、ヴィラのロビーに集合し、翌日の式場となる「ミーラ市庁舎」を下見。ミニバスで約10分ほどの距離ですが、ブランタ川沿いののどかな景色を楽しみました。市庁舎をぐるりと下見して、挙式への心の準備を整えて。 ←市庁舎前には、たまたま移動遊園地がお目見えしてました。
市庁舎下見のあとは、ルネサンスを代表する建築家パラーディオの作品が点在する、世界遺産の町ヴィツェンツァへ。パラーディオ設計による2つのヴィラに続いて、オリンピコ劇場を見学。遠近法の演出で不思議な奥行きを見せる舞台に感心。 ランチの後はパドヴァへ。奇蹟をおこす聖人サンタントニオを祀った教会やイタリアを代表する画家ジョットのフレスコ画が遺るスクロヴェーニ礼拝堂を見学。ジョット独特の鮮やかなブルーには思わず息を呑むばかり。専用車での移動は家族の会話も弾み、挙式先の歴史や文化も楽しく共有することができました。
今宵のディナーは、滞在先のオーナーが所有する「リストランテ・マルゲリータ」で。北イタリア有数のシェフによるアドリア海の幸を堪能できる名店です。スカンピの刺身やボンゴレ、オマール海老など絶品の数々をいただきながら、パパたちはヴェネトワインにほろ酔い気分。
ヴィラのパウダールームで花嫁はリハーサルメイクを経て本番ヘアメイク。準備を終えたパパ&ママは、ヴィラのサロンで少しそわそわした面持ちで新郎新婦を待ちます。そこへ、本日の主役のふたりが登場。
市庁舎へ到着。挙式の舞台となる2階の議場へ、流麗な弦楽三重奏の調べにのって入場します。挙式はイタリア人と同じスタイルのリーガル挙式。ミーラ市の議員が司祭役を務め、戸籍課の職員が婚姻を承認します。日本人観光客の少ないミーラでのリーガル挙式は、ふたりたっての希望。まるで家族の一員のように温かく迎えられ、日本の戸籍だけでなく、皆の心にも残る挙式となりました。
挙式後、広大な庭園をもつ「ヴィラ・マルゲリータ」をまるごと貸切り、シャンパンセレブレーション。ヴィラのオーナー、アレッサンドロさん一家も加わって全員で祝福。その後、ふたりがフォトツアーを楽しんでいる間、ファミリーはシャンパンでのどを潤しながら、休息のひととき。猛暑の中での挙式だったので、和美さんがファミリーの体調に配慮してのこと。ふたりが一番気にかけていた、パパの健康も万全のフォローアップで安心でした。
その後、「ヴィラ・フランチャスキ」へ戻りサロンコンサートの始まり。弦楽三重奏の麗らかな調べにのせて、ケーキカットを行ない、オーナーファミリーやスタッフも交えて、夢のようなひとときを過ごしました。
メモリアルディナーはヴィラ・フランチェスキのサロンを貸し切って、ヴェネト料理のフルコース。選りすぐりのワインと料理を味わい、会話もはずんで夜は深まっていきました。
挙式翌日は、コーディネーター和美さんの案内で水の都ヴィネツィア観光。出発前にTV番組で予習していたファミリーは、サンマルコ寺院のモザイクに言葉を失ってしまいました。またゴンドラで運河を巡ったり、ガラス工房を見学したりと、盛りだくさんの一日を過ごしました。 翌日以降は、ユーロスターに乗ってヴェネツィアからフィレンツェへ。ミケランジェロ広場やドゥオモなどを満喫した後、さらにローマへ。トレビの泉、コロッセオ、ヴァチカン市国などをたっぶり味わい、イタリア初体験の新郎&パパも大満足の旅行になりました。
イタリアのリーガル挙式では、婚姻証明書の受領まで数カ月を要し、日本での入籍手続きも数カ月遅れるのが通例でしたが、EVCではミーラ市長、市議会、コルソ家の協力を得て、婚姻証明書の即日受領を実現しました。これは、ヴェネト州におけるEVCの文化活動の実績による特例で、日本人では初めてのことです。この場合、新郎新婦自身が行なう手続きは、挙式45日前までに戸籍謄本と婚姻用件具備証明書を提出するだけで、他は全てEVCが代行します。挙式当日はベネチア県発行の婚姻証明書を受領し、帰国後数日内に日本の市役所にイタリア方式による婚姻届を申請し、戸籍に挙式日とイタリアの国名を載せることができます。